「先輩、これから少し時間ありますか?」


あたしはユーヤに誘われ産婦人科から歩いてすぐのファミレスにやってきた。


ファミレスに着いたのがお昼時ということもあり、店の中は人で溢れていた。


「待ちますか?」


「ユーヤに任せる」


「じゃあ、出ましょう」


気の長そうなユーヤが店を出るという選択をしたことに少しだけ驚く。


「待つの嫌なの?」


「違いますよ。ちょっといいこと思い付いただけです」


ユーヤはファミレスを出るとニコニコしながらあたしの一歩前を歩いた。