「堕ろしにきたの?」 今にもそう聞こえてきそうなほどの視線に耐えきれず、ユーヤの隣に腰かけギュッと目を瞑る。 まだ明らかに10代半ばの男女が産婦人科にいる。 それだけで色眼鏡で見られるのは最初から分かっていた。 「まだ具合悪いですか?何か飲み物でも買ってきましょうか?」 「大丈夫」 あたしが検査をしている間、ユーヤはどんな気持ちでここにいたんだろうか。 口には出さないけれど嫌な思いをしたに違いない。