「何で隠すんですか?」 陽に掴まれた左手首は赤紫色に変色していた。 「別に隠してないよ?ちょっとぶつけちゃってね。痛くないし全然平気なんだけどさ」 「なんでそんなに焦ってるんですか?」 焦りからベラベラと喋り墓穴を掘ってしまった。 「焦ってないって」 「じゃあなんで助けてなんて言ったんですか?それ彼氏にやられたんじゃないんですか?」 「……それは……」 口ごもるあたしの様子からユーヤは全てを悟ったようにこう言った。