「もう無理だよ……」 そう付け加え唇を痛いくらいに噛み締める。 すると、突然陽がベッドから起き上がった。 「別れる?またそんなふざけたこと言ってんのか?」 血走った目に怒りで震える唇。 頭の中で危険を知らせるサイレンが鳴り響く。 あたしは咄嗟にその場から立ち上がり玄関に向かって走りだした。 「……逃げんじゃねぇ」 でもあと一歩のところであたしは陽に髪を鷲掴みにされた。