「ずっとこうしたかった」


ベッドの上で抱きしめられたこの瞬間を、あたしは永遠に忘れない。


触れたかった。


触れてほしかった。



「アリサがいないとダメなんだよ……」


あたしの肩に頭を乗せるユーヤ。


それはあたしも同じだよ。


あたしもユーヤがいないとダメなんだ。



一瞬の沈黙の後、あたし達はゆっくりと体を離した。


そしてどちらからともなくキスをした。



「アリサ、好きだよ」


頬に手を添えてあたしの目を真っ直ぐ見つめるユーヤ。


その瞬間、あたし達は本物の恋人に慣れた気がした。



あたしを「先輩」と呼ぶユーヤはもういない。


敬語を遣うユーヤもいない。


あたし達は離れていた時間を埋めるように何度もキスをした。