担任の声に耳を傾けながらあたしは夏海に視線を向けた。 「あたし陽に振られた」 数日前、突然あたしに声を掛けそんなことを言った夏海。 「あんたから陽をとったの少しだけ罪悪感感じてたから。ごめん」 口調とは裏腹にきっと夏海は深く傷ついたんだろう。 陽と結婚する。 それだけを楽しみに進学することも就職することもしなかった夏海。 これから先、彼女はどうなるんだろう。 夏海の目の周りの腫れに気付いていたから。 「そっか」 そう言うのが精いっぱいだった。