「こんなことになってよく分かった。全て俺の勘違いだったって」 「どういうこと?」 聞き返すと陽は唇を噛んだまま表情を固くして話し始めた。 両親が離婚して、陽は父親にユーヤは母親に引き取られた。 意味もなく暴力をふるう父親。 母親に顔が似てきたという理不尽な理由で何度も殴られた。 しばらくの間は必死で堪えた。 でも両親の離婚が成立してから数週間後、 我慢の限界に達した陽は母親とユーヤの住むアパートをこっそり覗きにいった。