「アリサ、感謝しろよ?お前が払うはずの金、全部こいつが払ってくれてたんだから」
あたしが払うはずのお金を……ユーヤが?
陽の言葉に以前陽に払うように命じられた『手切れ金』を思いだす。
「あれは陽がもういいって……」
「いいわけないだろ。俺がそんなに甘ちゃんだって思ってたのか?」
センスがわりに札束で顔を仰ぐ陽を見て怒りが込み上げてくる。
「どうして……どうしてユーヤに……」
あたしに払う能力がないと分かったから?
ユーヤがあたしと付き合っていたから?
「どうして?」という言葉ばかりが頭に浮かび、消えていく。
すると、陽は札束をテーブルに投げつけながら冷めた目をユーヤに向けた。



