「先に教室戻りますね」


あたしの頬から手を離しスッと立ち上がると、ユーヤはあたしに背中を向けて歩き出した。


徐々に距離が生まれ、ユーヤの背中が遠ざかっている。


ダメだと分かっているのに。


それなのに、胸の中で言い訳を繰り返す。


最後に。


今日で最後にするから。


ユーヤの笑顔をもう一度だけ見たい。


その笑顔を見れたならきっと今以上に頑張れる気がした。


他の女の子がユーヤのそばにいても、絶対に泣いたりしない。


だから……