ユーヤはあたしの涙を親指で拭った。 「さっきの女の子は同じクラスの子です」 「……うん」 「付き合ってもいないし、ただの友達です」 「……うん」 あたしが何故泣いているのか。 その理由を知っているかのような口ぶりでユーヤは言った。 「……だから、泣かないでください。先輩が泣いてると僕まで泣きたくなりますよ」 ユーヤは苦笑いを浮かべながらポンポンっとあたしの頭を叩いた。