周りの環境も少しづつ変わっていった。


クラスの中の話題も受験の話が多くなってきた気がする。


夏海は陽と結婚する気なのか、進学する気などないらしく周りの変化にうんざりといった様子だ。


単位さえ足りていれば卒業できるとたかをくくっているんだろう。


早退や遅刻も多い。


でも今は夏海のことを考えている場合じゃない。


教室に着くと特に喋る相手のいないあたしは、すぐさま教科書を机の上に広げた。


今のあたしには、一分一秒たりとも無駄にすることはできなかった。