バイトが終わり、あたしは柊さんと一緒に夜道をトボトボと歩いていた。


「アリサちゃんの隣歩けるなんて俺、すげぇ幸せ者じゃん」


「……そんなことないですよ」


「連絡先ってまだ教えてもらえない?」


「……そうですねぇ」


「まだ元カレのこと好きなの?」


「……好きですよ。嫌いになれるわけない……」


そう言い掛け思わずハッと我に返った時にはすでに遅かった。


隣にいた柊さんはピタリとその場に立ち止まり盛大な溜息をついた。