「あの……ネックレス……」


釣銭を渡す時、ユーヤは右手を差し出しながら遠慮がちにそう切り出した。


「……あれ……どうしたらいい?」


「先輩の好きにしてください。捨ててもいいです」


「でも……」


「あれは先輩に渡すために買ったんです。だから……」


ユーヤがそう言いかけた時、柊さんがユーヤの肩を小突いた。


「早くそこどいてくんない?俺、アリサちゃんに用事があんの」


喧嘩腰でそう言う柊さん。


それは以前見た光景に似ていて。


ユーヤは口をへの字にして柊さんを睨みつけた。