柊さんに気を取られ、後ろに並んでいたお客さんの存在に気付いていなかった。 店員と客がレジで話をしているなんて他のお客さんにとっては不愉快以外の何物でもないだろう。 「申し訳ありません!」 小さく頭を下げ後ろの客に視線を向けた瞬間、あたしは目を見開いたまま固まった。 どうして……? なんでこんなところに……いるの? 「ユーヤ……」 「……久しぶりです」 ニコッと笑うユーヤにあたしは全身の血が顔に上がってきているのを感じた。