夕方から夜にかけてのピークを終え、客がまばらになる。 あたしは一度店の時計に視線を移した。 あと30分で終わりだ。 そして、何気なく目の前にいる客に視線を移したあたしはハァと小さく溜息をついた。 「柊さん、どうしたんですか?」 「一回家帰って夕飯買いに来た」 「一回家に帰る必要ってあります?」 「いや、ないね。アリサちゃんあと30分であがりでしょ?一緒に帰ろーよ?」 柊さんの企みに気付き、あたしは思わず渋い表情を浮かべた。