柊さんと初めて会ったのはユーヤの誕生日。
ユーヤが約束の時間に遅れてきた時にナンパしてきた鼻ピアスの男だ。
あの日、軽々しく話し掛けてきた柊さんに対してあまりいい印象は持っていない。
それ以前に、お調子者の柊さんにシフトが被るたびにからかわれてムッとすることが多かった。
「俺この近くのスーパーでバイト始めることになったんだ」
まさかそのスーパーがあたしのバイト先だとは思いもしなかった。
「あ、君!もしかして俺を忘れられなかった?」
始めてシフトが被った日、柊さんはあたしを見るなり開口一番そう言った。



