「でも今は彼氏いないんでしょ?」 「……何で知ってるんですか?」 「いやー、男の勘ってやつよ。っていうのは嘘で、この間アヤちゃんとアリサちゃんの話を……」 「盗み聞きしたんですね?最低です」 ギロッと横目で柊さんを睨み付けると、柊さんは焦ったように手を左右に振って否定した。 「違うって!たまたま聞こえちゃっただけ!」 「ふぅ~ん。あたしそろそろ行かないといけないんで」 「あ、そっか。頑張ってねー」 手を振り返さずに頭を軽く下げると、あたしは休憩室から店に向かって歩き出した。