失ってから気付くことがある。 誰かがそう言っていた。 人は大切なものを失うまで気付かない。 それが自分にとってどんなに大切であるか。 あたしにとって、それはユーヤという存在だった。 太陽のような眩しいほどの笑顔をむけてくれたユーヤ。 「先輩」とあたしの名を呼ぶユーヤ。 いつも自分のことを「僕」と呼んでいたユーヤ。 たくさんの愛と優しさをくれたユーヤ。 ……でも、ユーヤから手を離したの自分だ。