「そのまんま」
「ちゃんと答えて」
「……――もういいだろ!」
キッと陽を睨みつけた瞬間、唇の端に赤い血を滲ませたユーヤが部屋に入るなり声を上げた。
「帰ってくれ。また連絡するから」
「俺に命令するのか?」
「頼むから……帰ってくれ」
ユーヤが陽に頭を下げると、陽は満足そうに笑った。
「分かったよ。今日は帰ってやる」
二人のやり取りを眺めながら呆然とするあたしに、陽は吐き捨てるようにこう言った。
「なぁ、アリサ。俺はな、こいつと赤の他人じゃないんだよ」
クックッと喉を鳴らした後、陽はくるりと背中を向け部屋から出て行った。



