「一発殴っただけだ」 「何でそんなこと……」 動悸が激しくなり胸に手を当てたあと、あたしはバッグの中から携帯を取り出した。 「警察呼ぶから……」 勝手に人の家にまで入ってきて、ユーヤを殴ったなんて。 あたしが真っ先にすがろうとした先は警察だった。 手が震え、バッグの中から携帯を取り出すことさえおぼつかないあたしを見て陽はニヤッと笑った。 「あいつに何にも聞いてないんだな?」 「……どういう……意味?」 その言葉の意味が分からず、ピタリと動きを止め陽を見上げる。