【今校門のところにいる】

まさかと思い窓際の席から身を乗り出し校門付近に目を凝らす。


そこには不機嫌そうに腕を組む陽がいた。


「学校に来られるのはマズイよ……。学校が終わったらアパートに行くから。お願い帰って?」


保健室に行くという名目で教室を抜け出してきたあたしは辺りを気にしながらそうお願いした。


「お前は俺がわざわざ来てやったのに嬉しくないのか?」


「……嬉しいよ?ただ、今は授業中だから。先生に見つかると怒られちゃうの」

「俺より先公のほうが大事なのか。よく分かったよ」

陽はあたしの肩をドンっと力強く押し冷たい視線を向けた。


「学校が終わったらすぐにうちに来い。すぐにだぞ?」


「……うん。分かったよ」

怪しく光った陽の瞳に直感した。


きっと我が身に良くないことが起こると……。