「アリサ!どこに行ってたの!!心配してたのよ!」


玄関で靴を履き替えているあたしに母が駆け寄ってくる。


「どこだっていいでしょ……」


「……その箱……相手に渡せなかったの……?」


「……別に」


母もケーキの存在に気付いていたようだ。


「もう寝るから」


あたしは唇を噛み締め階段を駆け上がった。