「……もう大丈夫です」 暫く走るとユーヤは辺りを一度見渡した後、あたしの腕を離した。 ゼェゼェと喉から乾いた音を鳴らしているあたしは一度呼吸を整えユーヤを見た。 「……ユーヤごめん。あたし……」 「僕、先輩の弟に見えますか?」 「……え?」 言葉を遮ったユーヤは悲しそうな目であたしを見つめた。