「出掛けてくるから」 階段を下りリビングで何かを話していた父と母にそう言うとあたしは二人に背を向けた。 「待ちなさい。父さん、アリサに話がある」 「後でにして」 「アリサに関わることだ。今ちゃんと聞きなさい」 いつもはあたしに煩い事を言ってこない父が今日に限っては違った。 真剣な目がその深刻さを物語っているようで。 「分かった。話ってなに?」 「来年から九州に引っ越すことに決まった」 「引っ越す……?どういうこと?」 思わず聞き返すと、父は申し訳なさそうにこう言った。