「これください」


店に入り真っ先にショーケースの中の1ホールケーキを指差す。


「ロウソクはどうなさいますか?」


「17本で。あとユーヤって名前入れてもらえますか?」


「かしこまりました。少々お待ちください」


待っている間も落ち着かず狭い店内を行ったり来たりしてしまう。


一刻も早くユーヤのいるアパートに戻りたい。


プレゼントの代わりに早くケーキを渡したい。


「お待たせいたしました」


箱に入ったケーキを両手で慎重に受け取るとあたしは店を後にした。