「先輩……!!」


ユーヤの声を背中に受けながら全速力で走りだす。


ヒールの高いパンプスで走るあたしの姿は傍から見たらきっと滑稽だろう。


痛む足の指を庇いながら走っているからなおさらだ。


ユーヤの家に来るまでに小さなケーキ屋があったはず。


ここからそんなに遠くない。


そのあとスーパーで夕飯の材料を買って帰ろう。


ユーヤの好きなハンバーグにしよう。


ハンバーグにサラダにコーンスープ。


ユーヤの喜ぶ顔を思い浮かべると自分の顔も緩んだ。