この不況で中途採用が難しく、なかなか仕事の決まらない陽は焦っているように見えた。 陽に新しい仕事が見つかればまた以前のような関係に戻れるかもしれない。 暴力をふるわれたのは別れを切り出したあの日だけ。 あの時だって殴られたわけでも蹴られたわけでもない。 ただ髪を掴まれゴミ捨て場に放り投げられただけだ。 今のあたしにできることは一生懸命尽くし、陽にストレスを与えないことだけだった。