ユーヤはいつからこのアパートで暮らしていたんだろう。


いつから一人で暮らすようになったんだろう。


風邪をひいたとき、誰に看病をしてもらってたんだろう。



「……ユーヤ……」


スヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てているユーヤを見ていると胸が痛くなった。


アヤの話は本当だったんだ。


両親が離婚して、ユーヤは母親に引き取られた。


でも、母親はこのアパートには住んでいない。


ユーヤにはあたしの知らない過去がある。


そしてあたしには分からない心の傷を抱えている気がした。