学校からユーヤの家までは歩いて20分程度の距離にあった。 「……ここです」 そして、ユーヤは住宅街の真ん中にぽつんと建っていた小さな三階建てのアパートを指差した。 「何階?」 「……一階です」 「分かった。玄関の前まで一緒に行くから」 自分より10センチ以上も大きなユーヤの体を支えながら歩くのは思った以上に大変だった。 「鍵出せる?」 「はい、もう大丈夫です。ありがとうございました」 玄関の扉を開けたユーヤはくるりと振り返り頭を下げた。