アパートを出ると外は大荒れだった。 激しい雨に時折吹く強い風。 台風を感じさせるような天候はあたしの心の中を表しているようだった。 陽に触られた部分を一刻も早く洗い流したくて。 未だ肌に残る陽の熱。 全てを無かったことにしたい。 ……今日は傘を持っていなくて正解だ。 「……っ……うっ……」 大粒の涙も雨が隠してくれる。 あたしは雨に打たれながらトボトボと一人歩きだした。