「……お前ってホントバカだよな」


すると、突然陽はゲラゲラと楽しそうに笑いはじめた。


「何がおかしいのよ……」


「部屋に来たってことはそういうことだろ?」


真顔になり口角を上に持ち上げた陽に思わず後ずさる。


「夏海ってさ、束縛酷くて一緒にいると疲れるんだよ。できればアリサと寄り戻したいんだけど」


「勝手なこと言わないで」


一歩、また一歩と陽が徐々に距離を縮めてくる。


「これ以上あたしに近付かないで!」


あたしは部屋の隅に追い込まれそう叫んだ。