久しぶりに入った陽の部屋の印象はガラリが変わっていた。 洗面所に置いてあるピンクと水色の歯ブラシ。 ベッドの上の二つのお揃いの枕。 夏海の大好きなヒョウ柄の小物が部屋の中を占領していた。 「あたしの荷物どれ?」 「まぁ、座れよ?茶でも飲んでいけって」 「遠慮しておく。早く出して?」 一刻も早く陽の部屋を出たい。 あたしはその一心で陽に催促した。