「……ちょっと来て」 校門の近くにいた陽に囁くようにそう言うと、あたしは慌てて校門から離れた。 メールに気付いていないのか、ユーヤがまだ校門に立っていたからだ。 壁に寄りかかりボーっと何かを考え込んでいる様子のユーヤ。 陽とユーヤとの距離は5メートルあるかないかで。 あたしはユーヤに、陽と一緒にいるところを見られるのを恐れた。