もしかしたら、邪心を持ちながら、神域に来るわたしを、怒っているのかもしれない。

―…が。

わたしは目を閉じた。

「アラ、お久し振りね」

声をかけられ、目を開けると、銀色の長い髪に、青い瞳の美少女がいた。

明らかに、外国人だ。

「えっと…」

「どうだった? 教えたオマジナイの効果は」

「オマジナイ?」

…人違い、ではないのだろうか?

でも…彼女を見ていると、どこかで会ったこともあるような…。

「ずっと一緒にいられるようにと、アナタは願ったじゃない」

「…!?」

頭の中に、イメージが浮かんだ。

血塗れの犬を抱えて、この神社に立っているわたしの姿が。