いつも一緒

車は真っ直ぐにスピードをゆるめず、わたしに向かって来る。

10年前のあの日と同じように…!

しかしわたしは動けなかった。

今のわたしを動かしてくれるものなど、何も無かったからだ。

車の運転手が見えるようになった。

…アイツだった。

わたしの犬を轢き殺した、アイツっ!

ケータイで会話をしながら、運転をしている。

10年前は飲酒運転をしていた。

全然反省もしてないし、後悔もしてなかったのか。

急にわたしの頭は冷えた。

そして、真っ直ぐにアイツを見据えて、言った。

―殺せ。