―――大虎サイド――― 「ありがとうございました」 コンビニのバイトもすっかり板についた気がする。 俺は客に袋を差し出すと、ニコリと微笑んだ。 カラオケボックス、ガソリンスタンド、ファミレスの厨房。 色々なバイトを経て、今のコンビニに落ち着いた。 このコンビニをバイト先に選んだのは、家から徒歩で通えることが一番の理由で。 とはいえ、店長も口うるさいし、働きやすい環境とはいえないだろう。 それでも、俺がこのコンビニを辞めない理由。 それは多分、あの子にある……。