「……これ、何だ?」 「あ、それ?卵焼き。ちょっと焦げちゃったけど」 お弁当のふたを開けると龍心はギョッとした表情を浮かべて、目を丸くした。 半分近く黒焦げになってしまった卵焼き。 たこさんにするはずが足がほとんどもげたウインナー。 三角形ではなくボール型のおにぎり。 「見た目はあれだけど、味はいいな」 龍心はあたしの作った見た目の最悪なお弁当を、文句一つ言わず食べてくれた。