龍心の家は多くの住宅のちょうど真ん中あたりにある。 うちより大きい洋風の二階建の家。 その周りにはたくさんのプランターが置かれている。 「綺麗ですね。ガーデニング好きなんですか?」 「えぇ。龍心も幼い頃は水やりを手伝ってくれたのよ。今でこそまったくやってくれないけどね」 そう言って笑う龍心のお母さんの笑顔が龍心にどこか似ていて。 私は不覚にもドキッとしてしまった。 「さぁ、入って入って!」 龍心のお母さんに背中を押され玄関に入ると、タイミングよく誰かが二階から下りてきた。