「何もしないから安心してよ?見回りかもしれないし、もう少しここにいよう」 「でも……、先生じゃないかもしれないし……。足音も杉崎君の勘違いかもしれないよ?」 「いや、確かに聞こえた。だからもう少しここにいた方が良い」 「でも……」 確かにこんな時間に男子の泊まる階にいるのを先生に見つかったら、謹慎処分は免れないかもしれない。 だけど、謹慎になるのが怖いんじゃない。 一番怖いのは、龍心に今の状況を知られてしまうこと。 杉崎君との関係を誤解されてしまうこと。