「ねぇ、杉崎君……?」 「何?」 「手……繋がなくてもいいみたいだね?ほら、あたし汗かくし杉崎君も嫌でしょ?」 歩きながら杉崎君に声をかけて、彼を傷付けないようにやんわりとそう言う。 やっぱり彼氏がいる身でありながら、他の男の子と手を繋ぐのはありえないよね。 決まりなら仕方ないと思ってたけど、そうじゃないみたいだし。 「……――離したくないって言ったらどうする?」 すると、杉崎君は声のトーンを落としてポツリとそう言った。