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 恋人たちが一際熱くなる二夜が更けていき、一気に年末になった。


 今年も残すところあと数日となったとき、俺は休みであるのを利用して、千奈美をいつも昼食を取っているステーキハウスへと連れていった。


 店に入ると、いつも通りクラシック音楽が掛かっている。


 これはマスターの趣味なのだ。


 店のムード作りに音楽は欠かせないらしい。


 しかも、かなり静かな類の音楽を。


「こんにちは、マスター」


「ああ、今井さん。いつもありがとう」


「もう年末だね」


「ええ。……そっちの女性は初めてお会いする方だな」


「ああ。俺の彼女だよ」


 千奈美がすぐに自己紹介する。