俺は閉めきっていたカーテンを開けて、外の通りの様子をじっと見つめている。


 車がまるで洪水のように辺りに押し寄せる。


 絶えることなく……。


 だが、今この部屋にいる人間で外の景色を見ているのは俺しかいない。


 ベッド上には千奈美がスースーという寝息を立て、一人眠っていて……。