まま、


「マスター、お勘定お願い」


 と畳み掛けるようにして言った。


「ああ。いつもありがとう」


 マスターは駆け足でレジへと行き、


「三千五百五十円ね」


 と言い、サービスの意味でミント味のガムを俺に差し出して、


「サービスだから、気にしなくていいよ」


 と言い、手渡した。


 俺は無言のまま受け取り、長方形の細長いガムを一枚取り出して、噛み始める。


 唾液が出てきた。


 口の中に溜まってしまうので、俺は分泌されてきた唾液を飲み込み、


「また食いに来るから」