「罰ゲームだ。お前には死んでもらうしかない」


 誠がカッカッカッと薄気味悪い感じで笑って、急ぎ足で逃げ去る。


 栗本が、


「待ちなさい!」


 と言って、誠を追うが、いかに体力的に若い男でも、今の誠を追いかけられるだけのスピードと持久力はない。


 千奈美が自分のケータイから119番通報して、救急車を呼んだが、俺はすでに息も絶え絶えになっていた。


「ち、千奈美……」


「何?何か言いたいことある?言って」


「愛してたよ。君のことをずっとずっと」


「もうすぐ救急車が来るわ。それまで待って」


「もう俺は持たない。最後に一つだけ言っておくよ」


「何なの?」