“もうすぐ千奈美との結婚生活が始まる”


 と思い、少し気分が浮いていた。


 キッチンに入っていくと、流しやテーブルは綺麗に片付いている。


 区役所に手続きをして、もう数日が経てば、このファックスに離婚届が送られてくるのだ。
 

 俺は安心しきっていた。


 腹が減っていたので、俺は炊飯ジャーに残っていたご飯と、冷蔵庫に入っている具材でチャーハンを一皿作る。


 簡単だった。


 俺はレパートリーこそ少ないが、男の手料理は出来るし、結構上手いのだ。


 俺は皿に盛ったチャーハンを食べながら、不信感を抱いていた。


 まあ、確かにこの夜遅い時間帯だから、優紀子がすでに寝ていて起きてこないのは分かるのだが……。


 でも、一応久々に亭主が帰ってくるなら、それ相応の用意ぐらいはしていてもいいだろうと思われた。