俺も千奈美に対し、絶え間なく愛情を注ぐ。


 それが必ずいい方向へ繋がると確信していたので。


 コーヒーを飲み終わると、背凭れに凭れ掛かる。


 去年はクリスマス休暇がなかったので、久しぶりにゆっくりすることが出来た。


 俺たちはこれからどこに出かけるでもなく、部屋でリラックスするつもりでいる。


 本来なら新春なので外出してもいいのだが、何せ東京の街はどこもかしこも慌しい。


 俺も千奈美も年末年始ぐらいは昼間からアルコールを含んで、疲れた体を休めたい。


 コーヒーカップに飲み残しがないことを確認してダイニングを出ると、フロア中に暖房が利いていた。


 さすがに一流ホテルで迎える正月は違う。


 満足していた。


 あまりの待遇のよさに。


 そして俺は今年二〇一〇年がある意味では戦いとなりそうな気がしていた。