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 俺たちは持ってこられたコーヒーを飲みながら、寛ぐ。


 羽を伸ばすというのはまさにこういったことを差して言うのだろう。


 元日から三日までは大抵どこでも休みだ。


 俺は新年からの今井商事に営業に力を注ぐつもりでいた。


 千奈美が俺の新しいパートナーになることも同時に期待していて。


「浩介さん」


「何?」


「あたし、あなたの期待に応えられるかしら?」


「期待って、恋人としての?」


「ええ。あたしみたいな腰掛けのOLで満足するのかなって……」


 千奈美がコーヒーの入ったカップに口を付けながら、息をつく。


 互いに普段から疲れているので、俺も彼女もこういうまとまった休みのときに癒し合うつもりでいた。