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 俺と千奈美は食事を取り終え、座席から立ち上がって、店の出入り口付近にあるレジで掛かった食事代を清算してもらう。


「一万三千円になります」


「ああ、そのぐらい?」


「うん。いつもはこれの半額ぐらいなんだけどね」


「まあ、美味しいコーヒーとケーキも付いたことだし、これぐらい掛かっても仕方ないかな?」


「ええ。……今井さん、また新年になったらゆっくりいらしてくださいよ」


「うん。一応御用納めになったから、しばらくは食いに来れないよ」


「じゃあ、よいお年をだね?」


「ああ。今年の仕事も終わったしな」


「私の焼いたステーキで、今井さんが満足されてるのなら、それで構いませんよ。何せ常連さんなんだから」


「また来年頭から食いに来るから。じゃあね」