「あの……ちょっと待って。今この猫……喋ってなかったか?」
そう呟いたのはタキだった。引きつった顔で足元にいるぶっさんを見つめている。
「え。タッキー、にゃんこの言葉わかるの?やったぁ!俺と一緒だね~。ショウと彩都にはわかんなかったのに」
海斗がそう言った瞬間、それまで遠巻きにして彼らを眺めていたライが、慌てて詰め寄った。
「ちょ!海斗、お前今なんて言った?!彩都?!あいつに会ったのかよ?!」
「うん、ちょっと前にあっちの裏通りで。ショウと仲良く歩いてたよー」
「なんだとー!!?あの野郎、今日は大事な用があるから俺とは遊べねぇっていったくせに!!ショウとはいいのかよ!!」
目を吊り上げて怒りだしたライを横目で見ながら、タキは呆れた表情を見せる。
てかその大事な用が、ショウと会うことだったんでは……?
「なに、お前ら彩都の取り合いしてんのかよ……」
……ていうかホントになんなの、この人たち。
ランは完全に海斗たちの会話に乗り遅れ、憮然とした表情で車の中へ頭を引っ込めた。



