地面には血で汚れた男の人が何人か横たわっている。

そしてあたしの前に立っている男の人の頬に、血が付いている。


そのことから、今が喧嘩の真っ最中だということが想像できた。

それと。


最高に間が悪いトコを見てしまったことに気が付いた。



「…そこで何してんの」


「いや…あたしは」



何してんのと聞かれても。


あたしはただ、近道を探して転校して間もない学校を探索してただけです。


…こんなことになるとも知らずに。



「いつまでこっち見てるの? 望むならアンタもコイツ等と同じ様にしてあげるよ」



男の人は、怪しく光る瞳であたしを真っすぐ捕らえている。


怖い。

そう思った。